国土交通省の磐城国道事務所は2023年10月26日、福島県いわき市の国道6号(常磐バイパス)小名浜地区において、立体交差化への計画段階評価に向けた地域住民向けアンケートを開始しています。
12月には道路交通量調査を各交差点で実施しておりました、アンケートも開始されているので、本記事では検討案をおさらいしながら纏めています。
また、本記事では郵送されてきた「地域のみなさま用アンケート」の内容から抜粋した内容も記載しております。
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国道6号 常磐バイパスについて
いわき市内を南北に通る延長28kmの道路です。
昭和41年(1996年度)に事業化し平成11年(1999年度)に全線2車線で併用され、平成29年(2017年度)に全線4車線化されました。
沿線エリアでは工業地帯の造成や企業の立地など地域開発が進み、現在では東北有数の工業地帯となっています。また、いわき市内の観光周遊、救急車による搬送、さらには日常の通勤/通学など、様々な場面で常磐バイパスが使用され、地域活動に必要不可欠となっています。
常磐バイパスは、信号交差点が少ないため走行しやすい道路環境となっていますが、一部区間では朝夕の時間帯を中心に著しい渋滞が発生し、地域の大きな課題となっています。
福島県ワーストの渋滞エリア 小名浜地区
小名浜地区の林城・飯田の両交差点を含む区間が、渋滞に悩まされる状況となっています。
特に夕方のピーク時は時速20km以下となる(速度低下区間)が2.6kmにもわたって伸び、福島県内の国直轄管理の4車線国道ではワーストの渋滞区間となっています。
国道6号を走る車の9割が直進ですが、交差する道路も需要が高いため、その青信号を短くするわけにもいかない状況。そこで、立体交差化によって直進車が信号交差点と無縁になればいいというわけです。 検討案は、【林城・飯田の両交差点とも立体交差にする】案と、【林城周辺は6車線拡幅し飯田だけ立体交差にする】案になり、地域住民の意見なども聴取したうえで最終決定するとしています。
アンケートでは他にも対象区間の交通課題なども聴取されます。これをもとに概略ルートと構造が固まれば、都市計画決定や環境アセスメントなどの手続きに移行し、事業化を待つ段階へ移行します。
小名浜地区(林城~飯田)対象区間
通称:うどん坂~出光のスタンド交差点の区間となります。交通渋滞により交通事故も頻繁に発生している区間になってしまっています。
対象区間の交通状況
常磐バイパスの整備が進むにつれ対象区間の交通量は増加しており、現在では常磐バイパスにおいて最大の1日あたり約47,200台が通行しています。
常磐バイパスの主要交差点は立体化されていますが、小名浜地区の林城交差点、飯田交差点は平面で交わる信号交差点の為、交通の流れが阻害され朝夕の時間帯を中心に慢性的な渋滞が発生。
対象区間が抱える課題
主要幹線道路としての円滑性低下
信号交差点が短区間で連続し、国道6号を直進する交通や市道からの流入も多く混雑している。
信号待ちの時間により、走行の円滑性が低下している。
県内平均を上回る事故危険性
事故の危険性が県内の国が管轄する国道交差点より高く、県内平均の3~4倍です。
渋滞や急な坂道が原因の追突事故が多発しています。
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物流の速達性低下
トラックが渋滞を避けるために、輸送ルートやスケジュールの変更を余儀なくされています。
トラックが渋滞に巻き込まれ、貨物の輸送に時間を要しています。
緊急搬送の速達性、安定性低下
渋滞により追い越しが困難なため、救急車が病院に着くまでに遅れや、所要時間にばらつきが発生しています。
救急車が急な坂道の為、ブレーキを踏む回数が多くなり、搬送中の患者への負担が発生しています。
2つの対応方針
案1:連続高架線⇒林城交差点、飯田交差点ともに高架とする案
案2:片側高架+平面拡幅案⇒林城交差点を拡幅、飯田交差点を高架とする案
2案の比較
比較内容が記載された画像になります。
アンケート調査は1月20日まで。(地域の皆様)
いわき市HP アンケート調査へのご協力へのリンク
いずれにせよ、交通渋滞の緩和による走行の円滑性向上。緊急車両の速達性の向上によって、よりよい道路環境になってほしいと思います。
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